2023/08/20 第23回
人はコメ・コムギ・トウモロコシなどの穀物を主食としている。飽食や食品廃棄のいっ
ぽう、世界の人口の2割は飢餓に苦しんでいるという。飢餓と飽食には何が問われている
のだろう。
日本における穀物・肉などの収穫
日本の農地面積は、2016年、国土の12%の447万ha(haはヘクタール、100m四方)である。
このうち水田243万ha、畑204万haである。この畑は普通畑、牧草地、樹園を含む。なお
、2016年、コメの収穫量は804万t(tはトン、1000㎏)、産出総額は1.5兆円である。な
お、野菜、果物の国内収穫量は400万tである。これに輸入量450万tを加えて、合計850万t
が流通している。また果物は果汁を含む。
国内の牛肉・豚肉・鶏肉・鶏卵の収穫量は580万tである。これに、輸入274万tを加えて
、合計854万が流通している。さらに、牛乳・乳製品の国内生産745万tと輸入406万tの合
計1151万tが流通している。
日本の魚介類と海藻 の収穫量は470万tである。また、輸入500万tを加えて、合計970万t
が国内で流通している。
世界における穀物・肉などの収穫
世界の農地面積は、2015年、陸地の10%の約15 億haである。
世界の穀物の収穫量は約25億tである。なお、野菜、果実の収穫量は約27億tである。ま
た、牛肉0.7億t、豚肉1.2億t、鶏肉1.2億tの畜産物の収穫量3.1億tである。さらに、生乳
の収穫量8.3億tがある。
世界の魚やエビなどの魚穫量は、2012年、1億6000万tである。このうち天然物は6割の1
億t、養殖物は4割である。なお、養殖の魚介類の収穫量は世界の牛肉の収穫量(6300万
t)とほぼ同じである。さらに、昆布・わかめ等の海藻の2400万tの収穫がある。
1950年代後半、世界の漁獲量が3000万tをこえた。この頃、これ以上の漁獲は海洋の魚
介類を枯渇させ、持続的な生産を破壊するとくり返し警告された。そして今は天然物1億t
の3倍強の漁獲量である。大量の漁獲にもかかわらず、魚種にも大きな変化はなさそうで
ある。小地域の漁獲や魚種の変動はくり返し報道されるが、地球規模でみると漁獲や魚種
は安定しているようである。
【コラム2.1.】 クジラの食欲は?
世界の鯨類による魚介類の摂食量は毎年2.8~5億tとされている。この摂食量は世界の
人による天然物の漁獲量1億tをはるかに超える。
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