【環境ミニ講座1.4】 地球を包む潤い―水・大気―


 

 生物圏の水・大気はあたかも衣服のように、地球を包み潤いを与えている。

 

水はきわだった特徴の液体である。これらは矢印 が示す水環境に反映している。 

1) 水は広い温度範囲(0℃~100℃)で液体である ⇒ 広い温度範囲で生命活動が可能。

2)水は低温になると密度が増し、4℃で最大の密度、いちばん重くなる ⇒ 4℃以下になると再び軽くなって、氷は水に浮かぶ。…… もしも低温ほど重いなら ⇒ 海底や湖底はつねに氷で覆われ、底生魚介類は海底などの氷に閉じこめられたままになる。

3水分子H2Oの、原子Hは+(プラス)に帯電、Oは-(マイナス)に帯電の、「磁石」である ⇒ 水はさまざまな物質を溶かす。電子レンジで加熱できる。 また、水の表面張力は強い ⇒ アメンボが水面を歩ける。高い木のてっぺんまで水がつながって上昇する。

4水は温まりにくく、冷めにくい ⇒ 海や水田のそばは気温の変化が緩やかである。 湯たんぽが朝まで温かい。

5)氷は金属などに貼りつくと滑らない。氷に圧力をかけると瞬時に溶けて水になる    スケートや自動車のタイヤが滑る。

 

大気には容量で、窒素分子(N2)は78.1%含まれ、酸素(O2)は20.9%含まれる。N2は不活性なガスで、生物圏を安定化させ、O2は活性なガスで、生物圏を活性化する。

残りの1%にもさまざまなガスが含まれている。たとえばCO2(二酸化炭素)やメタンは温室効果ガスといわれ、熱線である赤外線を吸収して、地球表面の平均気温を+15に保っている。もし、これらのガスが存在しなかったら、地球表面の気温は19になってしまう。したがって、CO2などは地球を包む「服」である。重要なことはCO2を含め大気の成分を人が快適に暮らせるように維持することである。

 

 

 

【コラム1.4

1) 今降っている雨は

平均何日前に蒸発散した水だろうか ?   水は大気に13(単位は全て1012t)存在し、毎年511が蒸発散し、かつ、降水している。⇒ 大気の水は年に40回入れかわるから、今、降っている雨は平均9.3日前に蒸発散した水である。 

2) O2(分子状酸素)は毒である

光合成で発生するO2は、植物にとって不要物である。だから廃棄したのである。このO2 は嫌気性生物には猛毒である。さて、このO2を利用する好気性細菌の出現は革命的な出来事であった。彼らはO2で有機物を酸化し、獲得できるエネルギー量を飛躍的に増大させた。同時に、このとき生成する毒性の強い過酸化物を酵素SODとカタラーゼ(catalase)で解毒した。これらによって、大型動物などの出現・進化が可能になった。 

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