【環境ミニ講座1.2】 太陽から送られる光と電磁波


太陽は水素爆弾である。太陽では高温高圧で水素の核が融合してヘリウムの核になる。このときエネルギーが光などの太陽放射(電磁波)として放出される。わずか1gの核が融合するとき、1550cal、すなわち22 tもの石炭燃焼に匹敵するエネルギーが放出される。なお、地球の直径をたとえば1mとすれば、太陽は109mになる。

太陽放射は地球表層の生物圏を暖め、水の循環、光合成とこれにつづく生命の営みをもたらしている。太陽放射のわずか22億分の1のエネルギーが地球に到達する。22億分の1とはいえ、生物圏で人が発生させているエネルギー総量の1万倍である。

 

地球に届いている太陽放射(電磁波)を波長の短いほうから並べると、

γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波

となる。たとえば、γ(ガンマ)線の波長は短くて1pm1pm1012m)以下である。この線は透過力が強い。紫外線は10nm-380nm1nm109m)の範囲、日焼けや物質の劣化などの化学作用をもたらすので、「化学線」ともいう。可視光線は380nm-780nm の範囲,虹の7(紫, 藍、青、緑、黄、橙、赤)が含まれる。赤外線は780nm1mmの範囲、熱をもたらすので、「熱線」ともいう。電波の波長は長くて1mm以上。

 

 

【コラム1.2】

1)朝日や夕日はなぜ赤い

朝夕の太陽光は長距離の空気を透過してわれわれの目に入る。このとき空気の水分、浮遊物などによって、波長の短い紫などの光は散乱して、目に届かない。ところが波長の長い赤などの光は散乱しにくいので、目に届き、「赤く」見える。なお、昼に太陽を見ると、ま上の空気の層は薄いから、さまざまな波長の光が目に入る。そのために「まぶしく白く」感じる。

2)太陽の消滅はいつわかる?

すべての電磁波の流速は毎秒30万㎞である。太陽の電磁波が地球に届くまでにどのくらいの時間がかかるであろうか。太陽から地球までの距離は1.5億㎞である。これを30万㎞で割ればよい。500秒、すなわち、820秒かかることになる。太陽が消滅したことが地球でわかるのは820秒後である。これより早く太陽の消滅を知ることはできない。われわれは光などの電磁波より早い通信手段を持っていないからである。

 

 

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